香椎潟 香椎廟 香椎宮

福岡市東区香椎

冬の十一月に、大宰の官人等、香椎の廟を拝みまつることを訖りて、退り帰る時に、

馬を香椎の浦に駐めて、おのもおのも懐を述べて作る歌

師大伴卿が歌一首

いざ子ども 香椎の潟に 白栲の 袖さへ濡れて 朝菜摘みてむ  巻6−957

大弐小野老朝臣が歌一首

時つ風 吹くべくなりぬ 香椎潟 潮干の浦に 玉藻刈りてな  巻6−958

豊前守宇努首男人が歌一首

行き帰り 常に我が見し 香椎潟 明日ゆ後には 見むよしもなし  巻6−959

香椎の廟に参拝した旅人等は、香椎潟に馬を駐めて歌を詠んだとあるが、現在は香椎宮から海辺までは2`余りある。

万葉歌碑が香椎宮から500b余りの香椎頓宮入り口にあり、万葉のころはこの辺りまでが海であったという。

朝菜(朝食用の海藻)を摘む娘さんを詠むが、潟というから浅瀬であったのだろう。

今は埋め立てられて海はない。「見むよしもなし」である。

香椎宮は、仲哀天皇・神功皇后を祀る古社である。

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万葉歌碑

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