神の御坂

長野県伊那郡阿智村園原

ちはやぶる 神のみ坂に 幣奉り 斎ふ命は 母父がため  巻20−4402

右の一首は主帳埴科の郡の神人部子忍男

御坂の神

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御坂神社

東山道を信濃国から美濃国へ越える御坂峠の登り口に坐す。

これから峻険なこの峠を越え筑紫に向う、

無事3年間の防人の役を終え、故郷に帰れることを祈り、年老いた父母の身を想う。

この御坂の神に手を合わす。

なんという酷な役だろう。

この神社から神坂峠まで6.5`、約3時間の道程という。それすら私は実行に移せなかった。

神人部子忍男は、故郷の埴科の郡を旅立ってすでに150`の歩を進めてこの神の御坂に着いた。

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神人部子忍男さん、あなたのご無事を祈ります。

万葉歌碑

境内社殿前にあり、明治35年建立の古碑。

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境内には、日本武尊の腰掛石がある。

『古事記』に

その国より科野の国を越えて、すなはち科野の坂の神を言向けて、尾張の国に還り来て、

先の日に期りたまひし美夜受比売の許に入りましき。

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ヤマトタケルは東征の帰り、この神の御坂で一休み、この石に腰掛けたのだ。

早よ、美夜受姫にあいたいなあ。

旅の安全を祈って神に手を合わせた。

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