塩 津

滋賀県長浜市西浅井町塩津浜

あぢかまの 塩津をさして 漕ぐ舟の 名は告りてしを 逢はざらめやも  巻11−2747

塩津は琵琶湖の最北端、塩津湾の最奥にある。

塩津という地名は、北陸で取れた塩や海産物を都に輸送する港であったところからつけられたという。

遠くにぽつりと竹生島が浮ぶ。

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万葉歌碑が、西浅井町塩津浜 塩津神社境内

もうひとつ、歌碑が塩津北口バス停にあるが、万葉歌と紫式部の歌を並べる。

塩津山といふ道のいとしげきを、賤の男のあやしきさまどもして、「なほからき道なりや」といふを聞きて

知りぬらむ ゆききにならす 塩津山 よにふる道は からきものぞと  紫式部

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紫式部の父藤原為時は、長徳二年(996)越前守を任じられた。

夏、紫式部は父と共に琵琶湖の西岸を辿りつつ越前に下った。翌年の冬、父に別れ、琵琶湖の東岸を経て帰京した。

この塩津港で船旅は終り、ここからは険しい山越えで越の国・敦賀に向う。

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