はなかつみ

をみなへし 佐紀沢に生ふる 花かつみ かつても知らぬ 恋もするかも  巻4−675

ノハナショウブ

アヤメ科アヤメ属

山野の草原や湿地に生える多年草。

茎は直立し50〜120aになる。

葉は互生して2列につく。葉身は剣状で長さ20〜50a。

中脈は盛り上がり、太くはっきりしたすじとなる特徴がある。

高さ40〜80aの花茎をだし、赤紫色で10〜13aの花を開く。

外花被片は3個で楕円形、先は垂れ、基部は黄色。

内花被片は小形で直立する。

ハナショウブの原種である。花期 6〜7月。

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愛知県阿久比町に「花かつみ園」があります。

たいせつにハナショウブの原種を育てています。

HPで開花の知らせを受け、阿久比町を訪ねました。

紫鮮やかなノハナショウブ(花かつみ)が一面にその美しい姿で立ち並び、

衣に染まるようなその紫の花に囲まれていました。

ヒメシャガ

アヤメ科アヤメ属

山地のやや乾いた林下に生える多年草。

葉は剣形で先はとがる。

10〜30aの細い花茎をだし、淡紫色で径4〜5aの可憐な花を開く。

和名は姫シャガで全体の様子がシャガに似ていて、小形でやさしい感じがするのでこの名がある。

花期 5〜6月。

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岡山で桃園業を始めるという友人を訪ねた後、四国高知に足を延ばしました。

万葉の寺として有名な大豊町栗生の定福寺を訪ねました。

100基以上もある万葉歌碑をひとつひとつ確認しながら、

このヒメシャガに出会ったのです。

本当に可憐な花でしょう。

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『万葉集』に詠まれる「はなかつみ」は上記の一首のみ。

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