しりくさ

港葦に 交れる草の しり草の 人皆知りぬ 我が下思ひは  巻11−2468

サンカクイ

カヤツリグサ科ホタルイ属

池や川のほとりの湿地に群生する多年草。

茎は名前のように三角で高さ50〜100aとなり先端に柄のある卵形の小穂を側生状に数個つける。

苞葉が鋭く立つ姿から鷺の尻刺しとも呼ぶ。

花期 7〜10月。

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カヤツリグサ科って死語でしょうね。

子どもの頃、冷房もなかった頃だから夏になると毎晩蚊帳を張って寝たものだ。

蚊帳に金属の輪が四方に付いていて、(大きな蚊帳は中間位にも)部屋の四隅に下げてある紐に引掛けて蚊帳を吊る。

その紐にこの植物群は似るということだ。

背を低くして団扇で扇ぎながら蚊帳に滑り込む。

そうしないと蚊が蚊帳の中に入ってしまって反って蚊に刺されてしまう。

子どもの頃はこの蚊帳がけっこう楽しくて、蛍や蝉を中に入れて母親に叱られたものだ。

こんな風物はなくなってしまった。

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『万葉集』に詠われる「しりくさ」は上記の一首のみ。

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