しきみ

奥山の しきみが花の 名のごとや しくしく君に 恋ひわたりなむ  巻20−4476

シキミ

モクレン科シキミ属

暖地の山地に自生する。

3〜4月、葉腋に淡黄白色で直径約3aの花が咲く。

9〜10月に熟すと裂け、有毒の種子をだす。

「悪しき実(アシキミ)」の悪が略されて「シキミ」と名がついた。

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シキミというと、仏花とか葬儀の木を連想してあまり印象はよくない。

でも、仏事に使われるようになったのは平安時代以降らしく、

万葉の頃は「しくしく君に恋ふ」を浮かべる花だった。

恋歌の美しい花だ。

現在はこの花を恋人に贈る人はいない。

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『万葉集』に詠われた「しきみ」は上記の一首のみ。

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