やまあゐ

・・・ 山藍もち 摺れる衣着て ただひとり い渡らす子は 若草の 夫かあるらむ ・・・  巻9−1742

ヤマアイ

トウダイグサ科ヤマアイ属

山地の林内に群生する多年草。

地下茎は白色だが乾くと紫色になる。

雌雄異株で、茎の上部の葉わきから花柄をだし、緑色の小さな花を穂状につける。

染料をとるアイと混同されるが、ヤマアイからは染料はとれない。(「日本の野草」山と渓谷社)。

「アイ」はタデ科の1年草で、秋、花柄を出し、紅色の小花を穂状につける。

古く、中国から輸入された。

タデアイ・アイタデともいう。

だが、「ヤマアイ」は「アイ」より淡い色の染料で最も古い染料植物、という説もある。

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京都市伏見区鳥羽離宮町にある城南宮は方除の大社といわれる。

ここには「源氏物語花の庭」という神苑があり、源氏物語に登場する植物100余種が植栽されている。

ヤマアイもその一つである。

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『万葉集』に詠まれた「やまあゐ」は、上記の長歌一首のみ

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