つみ

いにしへに 梁打つ人の なかりせば ここにもあらまし 柘の枝はも  巻3−387

万葉で詠われる「つみ」はヤマグワの古名とする説が有力であるが、「ヤマボウシ」とする異説もある。

ヤマボウシ

ミズキ科ミズキ属

山野に生え、高さ5〜10bになる。

6〜7月、小さな花が20〜30個集った球形の頭状花序をつくる。

白い花弁のように見えるのは4個の総苞片で長さ3〜6a。

果実は集合果で径1〜1.5aの球形。

10月頃に赤く熟し、食べられる。

・・・・・・・

ハナミズキ

明治の中頃、東京市長尾崎行雄がワシントンに桜を贈り、

その返礼に贈られてきたのがハナミズキ、アメリカヤマボウシともいう。

花弁状の総苞片の先端がへこみ、ヤマボウシと区別できる。

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『万葉集』に詠まれた「つみ」は三首

この夕 柘のさ枝の 流れ来ば 梁は打たずて 取らずかもあらむ  巻3−386

いにしへに 梁打つ人の なかりせば ここにもあらまし 柘の枝はも  巻3−387

・・・ 神なび山に 明けくれば 柘のさ枝に 夕されば 小松が末に ・・・  巻10−1937

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